→白石くんのご乱心


「謙也、ちょお聞いてくれるか」

「なんやねん白石。急に改まって」

「今頃気が付いたんやけど、俺・・・まだ恋したことがない」




「・・・は?」

「せやから、恋愛したことあらへんのやって」

「へ?つまりは白石童貞っちゅーこと?」

「童貞どころか片想いした覚えもないねん」

「ハッ、自分いっつも女に囲まれていいご身分やもんなあ。え?」

「真面目な話や。なあ、恋ってどんな感じなん?」

「・・・確かにその質問は普通やないな。どんな感じって・・・その子のことが気になって、いっつも心の中におって、一緒におったら幸せで笑顔になれて」

「それはまるっきりカブリエルやな」

「俺の必死の説明昆虫と重ねんでくれる?自分一回女に刺されてこいや」

「可愛いな〜とは思うんやけど、そこから先に進まへんねん」

「無視か。まあ白石は女系家族やし、寄ってくる女が好かんしな。要するに恋愛体質になったらええんとちゃうの?そういう曲聞くとか。フレーズが身に染みるで。最近色々あるやん」

「俺の未来に君がいないなんて―・・・」

「おお!それや、そういうのや!」

「あ、カブリエルの話」

「もうお前恋愛せんでええわ」
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