→ある日の忍足家
「ねえねえ侑ちゃん、明日って謙也くんの試合があるんやろ?全国大会!」
「・・・せやけど」
「そこでお願いなんやけど、謙也くんの写真撮ってきてくれへん?ほら、侑ちゃんなら撮るのにいい角度とか知っとるやろ?テニスやっとるんやし」
「知らんわそんなん。ちゅーか何で姉ちゃんが謙也の写真なんか要るん?写真なら謙也んちのおばちゃんが撮るやろ」
「えーだって謙也くんカッコ可愛ええし!部活のみんなでホテル泊まるからうちには寄れへんのやろ?私明日学校で行かれへんから、侑ちゃんに謙也くんの勇姿を・・・あ、今の別に掛けてへんから!」
「・・・一つええか」
「ん?」
「姉ちゃん今日の氷帝の全国初戦来んかったよな?」
「おん」
「俺今日出るって事前に言うたよな?姉ちゃん今日暇やったよな?俺が帰って来る頃なんかあまりにも暇すぎて録画しとった金曜ロードショーのトトロ観とったもんな?」
「・・・・・・」
「・・・ここまで言うて弁解は無いんかい!」
「だって・・・侑ちゃんのことはいつも見とるやん?」
「そんなこと言うて地区予選も関東大会も来んかったやろ!」
「関東大会は見たって!ちょっと!」
「カラオケオールの帰りにぶら〜って寄っただけやろ!しかも俺の試合のずっと後やったし!」
「も、もう侑ちゃんたら〜そんなにお姉ちゃんに見とって欲しいん?侑ちゃんはお姉ちゃんなんかおらんでも出来る子やろ?」
「・・・(アカンわコイツ)」