疲れた。あの幸村とかいう男案内だけでなんつースパルタ。このばかでかい校舎10分で回りきるとか馬鹿だろ。しまいにはこんなことで息上げてるなんて君やるきあるのかい?とか言い出した。
結局ぜーはー言いながら走らされて本当ににこいつ何食わぬ顔で10分で校舎1周しやがった。ばけもんか。

「最後にトイレだけど」
「ひっ」
「なにを怯えてるの」

だって、してる人、居るんですけど。お構いなしにずかずか入っていく幸村君だけど、私は今女の子なのだ。少しは抵抗がある。

「時間、ないんだけど」

とか言ってらんないか。これからここで用を足さないといけないなんてしんどすぎる。個室があるから見られる心配はないとして、私が見たくないよ。
教室に戻った時ジャストタイミングでチャイムが鳴って、幸村君は自分の席に戻っていった。こんなのと部活やってるなんて、そりゃ強いわけだよこの学校。帰ったら牛田君に電話しとこ。部長がやばいって。
その後テニス部のよしみだっつって担任がやたらと幸村君に私の面倒を見させようとしてきて私はもう精神的に衰弱しまくり。まだ昼前だってのに。

幸村君って、見た目に反して相当むごい。女の子にはモテてるようだけど、生憎私は今男の子だから女の子のように優しくはしてもらえないし、扱いもきっと「厄介な時期に転校してきた面倒くさい新入部員」ってところか。かと言って立海の戦力に影響してるわけじゃないんだよね。なんかだるくなってきちゃった。…ってだめだめ!まだ初日だよばか!しっかりデータとこの幸村の首を六里ヶ丘に持って帰らなくっちゃ!ああ首はいらないか。

「ところで君」
「はっ、い!」
「ふふ、おかしな返事だね。油断大敵だよ」
「ですよねーははは」

なんつータイミングで現れるんだよ。狙った?ありえるなーこの人なら。じゃなくて。

「なんか用だったかな?」
「ああ、一つ聞きたいことがあってね。
君、レギュラーになる気はあるかい?」

食えない笑顔に背中に汗がつたう。居心地悪すぎなんだけど。怖いよ。
レギュラーなんて無理なことわかってるくせに。する気もないくせに。この野郎。

「頑張るつもり、だよ」
「そっか」
「…それだけ?」
「返事次第、ってところだったんだけど。とりあえず今日の部活を楽しみにしてるよ」

こっええええ。
これは思ったより大変な仕事になりそ。私命の保証できんのかなぁ。とりあえず、立海の強さの秘密ゲット!!!!!!


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