恋人は忍者 | ナノ


お前の嫌いなところ・・・と言うか、直してほしいところなら数え切れないほどある。まず部屋が汚いところだな。出したものは元あったところに直す、そんな簡単なことがなぜ出来ない?爪切りや鍵をすぐ失くすのもいい加減懲りただろ。その辺に放り出したままにしてしまう癖をなんとかしないと、年々厄介になるぞ。お前は物をなかなか捨てられないし。それに物を失くした時オレを頼るくせに、「あっあそこの棚は見ないで!!」ってなんだ?ボケか??


朝起きれないところもだな。まず夜更かしが良くない。・・・まさかバレてないとでも?いいか、正しい睡眠をしないといずれ慢性的な寝不足に・・・おい聞いてるか?とにかく寝坊して遅刻なんて得なことは何も無いんだからその生活習慣を改めろ。だらしない。

だいたいお前は休みの日は基本的に昼まで寝るし。時間がもったいないとは思わないのか?・・・・・・いつも木ノ葉にいられるわけじゃないから、お前との時間を半日も無駄にしたくはないオレがバカみたいだろう。


・・・こうしてる間にも菓子に手が伸びるのか。お前の「ダイエットしなきゃ」や「ダイエットは明日から」は本当にアテにならないな。口に出したことは一度やり遂げてみたらどうだ。・・・なんだよ、別に嫌いになったわけじゃない・・・呆れているだけだ。怠惰で自分に負けてしまうのは人間だからある程度は仕方ない。でもそれを克服するのが強さだろう?忍者も一般人も変わらないんだ。


忍者と言えば。お前は忍者に対して劣等感を抱いている節があるな。余計なことだ。確かに忍者は身体・精神の訓練に関しては人一倍こなしている。一般人には無い強さがあると言える。だがオレにはオレの、お前にはお前のやるべきことがあるハズだ。忍具を作る者がいないと、服を作る者がいないと、食事や建物を作る者がいないと・・・忍は本分を全う出来ない。オレだってそうだ。こうやって、手を握っているお前がいないと、不安で仕方なくなる。忍だって案外脆いだろう?

里の者がいるから忍は充実した生活が出来るし、その里が大切だから忍は里を守る。何が欠けてもダメだ。


お前が忍としてのオレをよく知らないのは当たり前だ。そもそも見せびらかすものじゃない。中忍試験みたいなものはパフォーマンスに数えられるがな。それに、出来るならお前に凄惨な血生臭い忍の世界は見せたくないというのもある。人が人を殺すんだ。間違いなく自分の中の何かが変わるさ。だけれど自分を変えてでも、守りたいものがあるから、戦うんだ。

この前も叱ったが、だからもうオレの巻物を盗み見たりするのはやめろよ。危険なものを封じていることだってある。そんなことしなくても、話せることならオレが話してやるから。忍の世界を知らないことで落ち込むのはやめて欲しい。オレが任務から帰ったとき、お前は泣いていことがあるな。心配してくれるのはありがたいが、疲れて帰ってくるのだから笑った顔が見たいものだ。オレはお前の笑顔のためにやっているのだから。


・・・あと、お前最近よく店に来た忍と話してるよな。シカマルにチョウジ、リーやキバとか・・・サイとやら。お前の交遊関係にまで口を出すつもりは無いが・・・・・・っ別にオレは、お前がオレに関する変な詮索をしないか心配なだけで・・・!お前、分かっていておちょくってるだろ!!勘弁してくれ・・・心配事の種を増やしてくれるなよ。この件に関してはこれ以上は言わん。


いっつもマイペースで適当で、そのくせ妙なところに拘りがあって。それがお前の短所であると同時に長所でもあることは分かっているんだ。お前のその性分に救われるヤツがいることも・・・・・・知っている。それでもやはり正すところは正さないとな。何でいきなりって?いきなりじゃない、いつも言ってることだ。・・・それにさっきお前がバイト仲間に話してるの聞いたぞ。オレとずっと一緒にいたいんだろう?それならこれくらい直してくれ・・・オレのためにも、な。


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