絶対に秘密(七班) | ナノ


「はい、メイド服にチャイナドレス、剣道着に軍服」

「・・・何だこれは」

「文化祭当日にサスケが着る衣装」


軽く一山はあろうかという衣類の数にサスケはきつく眉をひそめた。私の後ろからはクラス中の女子の期待の眼差しが寄せられていて、何だか体感温度が熱い。これもクラスの文化祭委員の責務なのか。


「おい、冗談は顔だけにしろ」

「いやアンタ真顔で何言っちゃってくれてんの?アンタが一番楽な仕事がいいって言ったんだよね?コスプレ撮影スタジオなんだからオプション役が一番楽に決まってんでしょーが!お客さんの隣に立って写真撮られるだけでいいの!ていうかアンタを美味しく利用するための企画なんだから!」

「・・・・・・」


サスケは口を真一文字にキュッと結び、まるで汚らわしいものでも見るかのように鮮やかなブルーのチャイナドレスをつまみ上げた。


「大体こんなもんが学校に許可されんのかよ」

「そうね、さすがにガーター付きのバニーちゃん衣装は生徒会長のネジさんの認可が降りなかったわ」

「・・・お前もう俺に寄るな」


ていうかサスケに着てもらうしかない。それしかうちのクラスの出し物が並みいる強豪を押さえて優勝する道は無いのだ。

隣のクラスは知将・シカマルを使ったクイズ大会。そのまた隣のクラスはヒナタたち女子による魅惑のヘッドスパ・マッサージ。極めつけに本命・三年のネジさんたちのクラスはテンテンさん直伝の点心・中華料理の販売。ここは何としても我がクラスの誇る孤高のイケメンに頑張ってもらうしかない。


「なあ!なあ!」

その時セット作りに励んでいた男子たちの中からサッと手が上がった。看板の絵を描いているサイとナルトのチームだった。ただし有益な仕事をしているのはサイ一人と見える。


「なに二人とも」

「ということはサスケくんは当日働きづめということでしょうか。それはちょっと可哀想かと・・・」

「そう?じゃあサイと交代制にするよ。サイもなかなかファンが多いし」

「どうしよう僕余計なこと言っちゃった」

「つーかさ!」


勢いよくナルトが立ち上がり、ビシィッとサスケを指指した。サスケは何も言わずガンを飛ばし返す。


「どーして女子はそういう目立つ役にサスケばっか持ってくんだってばよ!」

「はいはい需要と供給需要と供給」

「一言で片付けんな!はっきり言ってズルいってばよ!」

「アンタの大好きなサクラだってそう言うわよ!」

「そういえばサクラちゃんはどこ行ったんだってばよ!」

「サクラは文化祭実行委員でしょ!クラスのことに関わる暇ないの!」


「おい」


いきなりサスケが私の首根っこを掴んで、いがみ合うナルトから引き離した。サスケの端正な顔が間近にあるのは眼福なんだけど、女子に対してそういう扱いどーかと思う。


「何よ」

「そもそも何でお前はそんなに優勝に拘るんだよ」

「えっ」

「そうだってばよ!確か優勝商品ってすっげーどうでもいいモンだったよな?」

「多分最終決定では学園長の綱手様のサイン色紙と、ガイ先生の全身タイツ型ジャージクラス分、トントンストラップだったかと」

「イチャパラの映画招待券は結局どうなったんだってばよ?」

「あれは発禁物だからダメだよ」


ざわざわと喧騒が広がる中、サスケだけが変わらぬ鋭い目で私を睨み付けていた。あー、もうこれ、やばい、ばれそう。だけど言えないよこれは。だって、





裏景品がカカシ先生の盗撮写真集だなんて・・・!








八万打踏んで下さった澪さまのリクエストでした!ありがとうございました!
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