からかいたい


エンドロールが終わり、タイトル画面に戻ったままの状態でテレビが煌々とついている。

映画をつけた本人はソファーの上でまるくなり、気持ちよさそうな寝息をたてていた。


「姫ー?」


肩を揺らしながら名前を呼んでみるが反応がない。


「映画終わりましたよー。部屋に戻らなくていいんですかー?」

『うん…もど…りゅ…』

「……。」

『……。』


浮上した意識はまたすぐに眠りへと落ちてしまったらしい。

どんなに肩を強めに揺すっても、彼女は規則正しい寝息を立て続けている。


「ミーだって男なんですよー。少しは警戒しないと食べちゃいますよー。」

『………すぅ。』

「ホント、人の気も知らないで。」


無邪気な寝顔の彼女の頬をつつけば、起きはしないがピクッと反応を示した。


(おもしろい…と言うより可愛いですねー。)


頬の柔らかさと可愛い反応に、つい何度もぷにぷにとつついてしまう。


(起きないですねー。)


まったく起きる気配のない彼女のサラサラとした亜麻色の髪に指を通して梳く。

そのまま静かに顔を近づけ口づけようとした。


『―――…ん。』

「あ、起きちゃいましたー?」


あと少しと言うところで目を覚ました彼女と至近距離で視線が絡む。


『な…っ!?』

ッガ!

「!!」


勢い良く起き上がってきた彼女の上から体を退けきれず、大切な部分に彼女の膝がヒットしてしまった。


『きゃ―――フラン、ゴメン!!』

「……………!!」


冗談抜きに痛い。が、幸い動けなくなるほどではなかった。

しかし、痛いのは事実なので手でソコを押さえたまま、床に座り込んだ。


『どっどうしよう…私、そんなつもりじゃ…。どうしよう、どうしよう、どうすればいい!?』


オロオロしながら顔を覗き込んでくる彼女に悪戯心がうずく。


「ちょ…そっと撫でてもらってもいいですかー?」

『あっ、うん。ごめんね、こう―――――』


気が動転している彼女は、なんの躊躇いもなくそっとソコを撫で始めた。

彼女から与えられる刺激に少しずつテントが張る。


『えっ!?腫れ、て…―――〜っ!!』


自分のしている事にやっと気づき、彼女は手を引っ込め顔を真っ赤に染めた。


「もう、やめちゃうんですかー?」

『し、し、し…信じらんない!!フランのバカぁぁぁぁ!!!』


真夜中という事も忘れ、スクアーロ以上の大音量で叫んだ彼女の声はヴァリアー邸内に響き渡った。










その後、ヴァリアー邸内に憤怒の炎が上がったのは言うまでもない。





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