猫を拾う

猫を拾う夢を見た。

その猫は金色のふわふわした毛並みで所々跳ねていて、目が隠れていた。

私はその子を抱き上げ優しくノドをさすった。

猫はゴロゴロとノドを鳴らすかわりに、口角を上に引き上げにんまりと三日月口をつくり「うししし」と笑った。

あぁ、やっぱりそうだ。
私の頬が自然と緩む。そして愛おしい気持ちを込めて彼の名前を呼ぶ。

すると、猫の姿が歪み私の前にはいつも通りの彼が姿を現す。

寝癖のようにハネたヘアスタイル。艶やかな金髪の上に輝る銀のクラウン。長い前髪で隠された目。チシャネコの様に笑う私の王子。

『Ti amo,姫』

あぁ、なんて甘美な夢。いつまでも、いつまでも続いていて欲しい。そう願わずにはいられない夢。

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