ポッキーゲーム
アンティーク調のテーブルの上に積み上げられたお菓子の山。
その隣にある大きくてフカフカしたベッドに寝ころぶ金髪の王子。
左手で雑誌をめくりながら、右手をテーブルに伸ばしお菓子を取り口に運んでいく。
『ベルー?何を食べてるの?』
「んー?日本から取り寄せた菓子。」
相変わらず雑誌に目を向け、お菓子を口に運びながら彼は答えた。
『おいしい?』
「…食いたいの?」
『うん。』
「しっしし、素直じゃん♪」
口角を上げニンマリ笑いながら彼は私の方を向いた。
そして、持っていたお菓子を口にくわえ私の前に向き合うようにストンと腰を落とした。
「んっ。」
『…えーと、こっち側から食べろと?』
「いらねぇの?せっかく王子が食べさせてやるってのに…」
『や…その…』
「早くしろよ。じゃなきゃサボ…」
『食べます。』
ポリポリ、ポリポリ…
(ヤバい、顔近い。あーベルの唇すごく柔らかそう…って何考えてんのよ私。もう…)
“ちゅう”
(ちゅう?)
可愛らしいリップ音と共に唇から柔らかい感触が離れていった。
「しっしし、耳まで真っ赤。かっわいいー。」
王子さまにはかなわない。
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