甘く溶ける

ベルが甘えたい時はすぐ分かる。

後ろから抱きついてきて、首元に顔を埋めてくるから。

跳ねた毛先が頬を掠めくすぐったい。
鳥の羽根のように柔らかい髪を梳きながら、私は彼の頭を撫でた。


『ベル、どうしたの?』

「ん〜。」

『甘えたさんだね。』

「甘えるオレは嫌?」


私を抱きしめるベルの腕に力が入る。

そんなミルクチョコのような甘い声で言われたら、嫌がる女の人なんていないと思う。


『嫌なはずないよ。』


寧ろ好き。もっと、もっと甘えて欲しくなる。


私は身を捩らせて、彼の耳にキスをした。


「…っ。姫、それ…反則。」


掠れたベルの声がやけに色っぽくて、私の頬は赤く染まった。


反則なのはあなたの方です。王子さま。


「姫、なんだかさっきより温かくなってきた。」

『そ、そうかな?』


ベルは埋めていた顔を少し上げ、必死に平常心を装うとする私の首に舌を這わせてペロリと舐めあげた。


『ひゃッ。』


滑り少しざらざらとした感触に、私は思わず小さな悲鳴を漏らした。


「ししッ。なぁ、欲情した?」


体中の熱が急上昇する。早鐘のようになる心音。

隠しきれない欲求に恥ずかしくて黙っていると、ベルは私の下腹部を優しく撫で始めた。


「王子は姫としたいんだけど。」

『ふぇッ?』

「姫、王子の欲求満たして…?」


艶めかしい吐息と誘惑の言葉に私の脳は痺れ、理性や羞恥心といったものは何処かへ消えていった。




甘える君も、求めてくる君も、全てが愛おしい。
二人ひとつに溶け合うように、いつまでも、いつまでも愛し合おう。




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