bella vista
私の傍を一匹の鮫が悠然と泳ぐ
鋭く射抜く銀灰色の瞳、銀色に輝く肌は磨き上げられた剣のよう
キレイ…
触れたら傷つくと分かっていても、手を伸ばさずにはいられない
伸ばした手に伝わってきた感触はザラザラとした鮫肌ではなく、しっとりと滑らかな人肌
この肌を私は知っている…
いつの間にか私の手は大きな温かい手に包まれていた
視線を上げると銀灰色の瞳が優しく微笑みかけてくる
天を仰げば水面から蒼白い月が見える
水中にフワフワと漂う銀糸の長い髪
それが月明かりに照らされてキラキラと輝いていた
彼と一緒に水の流れに身を委せる
寄せては返す波音がピアノの伴奏のように聞こえ、私たちはまるでワルツを踊っているかのよう
そこにアナタがいるそれだけで、そこは私にとってのbella vista
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