起こすためにはkissが必要です。
柔らかな感触が頬をなでる。
そのこそばゆさに目を開いた。
見えるのは程良く筋肉のついた無駄のない広い胸にサラサラとした長い銀糸。
『あぁ…そうだ。昨日あのままスクの抱き枕にされたんだっけ。』
寝ぼけ眼を擦りながら昨夜の出来事を思い出す。
抵抗はしたものの、逞しい腕に抱きしめられては抗う事もできず、彼の体温の心地よさにいつしか眠りについていた。
『起きて準備しなきゃ。』
なんてったて、記念すべき初デートなんだから!そう思ってスクアーロの腕から抜け出そうとする。
『うーんッ。』
頑張って身を捩ってはみるものの彼の腕はびくともしない。
しっかりと抱えられてる身体は起きあがることを許されないでいた。
『スクー、起きてー!』
「ん゛。あと五分だぁ…」
『だぁめッ!!起きてー、デートしたーい!でぇとぉ〜!!』
「………。」
更に強く私を抱きしめて再び寝ようとするスクアーロの胸を軽く叩く。
『スク〜?』
「………ゃる。」
『へっ?』
「姫からキスしてきたら起きてやる。」
見上げればスクアーロがニヒルに笑っている。
『起きてるじゃん。』
「いや、寝てるぞぉ。」
そう言いながら、スクアーロの目が閉じられる。
もう、いい大人のくせに何をやっているんだこの鮫は。と呆れる反面、堪らなく可愛いと謂うか、愛おしいと思ってしまう自分がいるのも事実だった。
髪と同じ白銀の長い睫毛、滑らかな肌に、薄い唇。
いつ見ても見惚れてしまう端正な顔立ちに胸が高鳴っていく。
これ以上、心臓がうるさくなる前にと彼の唇に触れるだけのキスをした。
『んッ…。』
すぐに離れようとした私の頭を大きな手が支えて阻止する。
緩く閉じられていた唇を割り開いて滑り込んできた彼の舌は、私の咥内を深く激しく蹂躙した。
『ふッ…ん……ッ。』
きつく絡みついてくる舌に、意識をも持って行かれそうになる。
これ以上したらデートができなくなる。と思ってスクアーロの胸をばんばんと音がするぐらい強めに叩いた。
『…ッ…ハァ、ハァ…』
「ホント慣れねぇなぁ。毎回、初々しくて可愛いぜぇ。」
スクアーロが満足げに笑うのが何だか悔しい。
不機嫌そうに頬を膨らませば、彼からその膨らみへバードキスが贈られた。
デート前から体力の消耗が激しいです。
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