欲しいのは
2014/04/20 11:29
「ねぇ、ドフィ。」
「…なんだ?」
俺を見上げ、桜色の唇から甘い音色を洩らす彼女を見つめる。
「好きよ。」
嬉しい筈のその言葉は俺の心に響かない。
「フッフッフ…それは俺の欲しい好きじゃねぇな。」
「そうね。でも、好きよ。」
柔らかく微笑む彼女の首に手をかける。
「なぁ、いつになったら俺を見る?」
ゆっくりと手に力を込めていけば、歪み出す彼女の顔。譫言のように繰り返される「好き」という言葉。全てが俺を苛つかせる。
このまま彼女に乞わさせ壊せば俺の心は満たされるだろうか…?
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