過去形になった4文字
2012/09/06 23:17
あの時 キミに言えなかった4文字は、いつの間にか過去形に変わっていた。
差し出された手を握る。
「じゃぁ、元気でな。」
『うん、***君もね。』
今まで君付けで呼んだことなんて無かったから、キミは少し苦笑いしてから身を翻した。
そして、互いに背を向け歩き出す。
キミは街灯りがもれる雑踏の中へ、私は静寂が支配する夜の闇の中へ。
振り返らずまっすぐ、互いの道を歩き出した。
私達の視線はもう二度と交わることはないだろう。
それでいい。
私とキミは生きる世界が違うのだから。
ずっと覚えていてくれてありがとう。
私も好きでした。
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