トリオン体の断面がとても好きだった。血の代わりにトリオンが溢れるそこは、いつまでも眺めていたいくらい私の目には輝いて映る。 夕方を過ぎた夜の本部は人もまばらで、彼を人目につかずに呼び出すことができた。時枝くんの腕を引っ張って、私はあまり使われていない倉庫に入る、「痛い?」 私は彼の腕を切るたび、決まってそう聞く。時枝くんはいつもと変わらない表情で首を横に振るものだから、私はたまらず彼の左腕までを全て切り取る。「痛い?」「いや、平気」「そう、良かった」ほっと一息ついて、彼の左手を持ち上げる。腕の断面からは、トリオンがあふれ出ては消えていく。もったいないなぁ、と自分の頬に彼の腕を寄せると時枝くんは腕から先のない手で優しく撫でてくれた。


「名前はこれ、好きなの?」
「うん、好きだよ。好き、大好き」
「そう」


時枝くんはいつもと変わらない表情で私を撫で続ける。そんな彼が愛おしくってたまらず抱きつくと、そっと引き寄せられた。とてもあたたかい。

「時枝くんは、いやじゃない?こんなことされるの、いやじゃない?」
「突然どうしたの」
「なんとなく、気になったの」

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