敵わない
きっとこの人には一生かかっても敵わない
「イカ…せて…。」
小さな声でそう呟くと
「聞こえない。」
そう言って
ハルちゃんはCDのボリュームをググッと上げる。
優雅で華麗なモーツァルトの流れる車内に、私の醜い情欲が色濃く現れる。
高音域でバイオリンが華麗なスケールを奏で始めたとき
「お願い!イカせて!!」
懇願するように叫ぶと
「よくできました。
誰よりHな声を上げてイッてごらん?
恥ずかしいルカの声、俺に聞かせて。」
そう言って
ハルちゃんはローターの振動を一番強く熱くした。
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