春にはお花見
夏には花火。
何度も何度も季節を繰り返し、
私が中学生になった頃。
「ハールーちゃんっ!!」
「あ……、ルカ……。」
ハルちゃんは…
何故か急にそっけなくなった。
「ハルちゃん!!おはよう〜!!」
いつものように、ギューっと腕にしがみついても。
おっきくてたくましい、その胸に飛び込んでギュって思いっきり抱きしめても。
「おはよ、ルカ。」
ハルちゃんは…
私を抱き返すことはなく、そっと体を手で押し戻す。
「え……??」
昔ならもっとギュって抱きしめ返してくれたのに。
ほっぺにチューだってしてくれる時だって、あったのに。
なんで??
なんでしてくれないの??
ハルちゃん。
ルカのことキライになったの?
だからそんなに困った顔して私を見てるの??
そっけないハルちゃんの態度が悲しくて。
涙をこらえながらさらに強い力で腕にしがみつくと
「ダメだよ、ルカ。
そういうことはもう俺にしちゃいけない。」
そう言って。
ハルちゃんは私の腕をそっとはずした。
- 16 -
← →
Back