09
その夢を見て。
俺はやっと1つの答えに行きついた。
あぁ…そっか…。
そうだった……。
ずっと誤魔化してきたけど。
ずっと逃げてきたけれど。
俺はずっと、ちょこのことが好きだったんだ。
アイツが隣にいるのがあまりに自然で、あまりにも当たり前で、なかなか素直になれなかったけど…。
もしかしたら俺はちょこのヤツを“幼なじみ”として見てた日は、一度もなかったのかもしれない。
ガキのころから。
ちょこが俺の隣にいたあの日から。
俺にとって橘 千代子という女は
特別で
大切で
かけがえのない…
ただの女の子だった。
幼なじみなんかじゃない。
ただの…女の子だったんだ……。
←→
9/12
目次へ