08
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俺が白い世界に連れていかれた間。
俺はまっ白い世界で懐かしい夢を見ていた。
『はーちゃん。』
『なに、ちょこ。』
『ちょこね?はーちゃんのことだーいすき!!』
『ほんとか?おれもちょこのことだいすきだぞ?』
小さなちょこと小さな俺。
俺の家のリビングで二人はブロック遊びをしながら話をしていた。
『ほんと…?じゃあちょこがおとなになったら、ちょことけっこんしてくれる?』
ニコニコしながら俺の右手を握りしめるちょこに向かって俺は
『ヤだよ、すぐにけっこんはしてやらねーよ。』
と悪魔な一言をいいはなつ。
そして残念そうに『えーっ。』と声を上げるちょこに向かってこう言ったんだ。
『ちょこ。
まず“こいびと”にならないとけっこんはできないんだぞ?
おまえがホントにおれのことがすきなら、おとなになったとき、おまえをおれのかのじょにしてやるよ。』
そう言って。
小さな俺はちょこの右手をギュゥっと掴んだ。
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