06


「なんか…、今日の逸都は調子が悪いね。」



そう言って。
スコアボードを見に来たのは佐加美センパイ。




「そうなんです。
さっきからシュートはミスるしパスはミスるしでいいとこナシなんです…。」




いつもの逸都なら見てるこっちが興奮するくらいにいいパスを出して、周りのプレーを引き出してくれるのに……。



「クソッ!!レイアップすらも入らねぇ〜(涙)!!!」

「……。」



目の前にいる今日の逸都はバスケ好きのただの素人に成り下がっている。






「なんか今日の逸都は集中力に欠けるんですよね……。」



精彩を欠くアイツのプレーを見ながら佐加美センパイに話しかけると



「うーーん。
もう一押しって所なのかな?」

「……??」



佐加美センパイは何やら意味ありげに呟くと



「千代子ちゃんの手ってキレイだよね〜。」



ニッコリ笑いながら私の右手をギュっと握りしめた。





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