ある冬の日の後悔 | ナノ
突然の知らせ



「なっちゃん、結婚するんだってさ」


隣にいる千鶴がポツリとそう呟いた。

大学を卒業して就職した俺達が会うのは本当に久しぶりだった。てっきり要たちも来ると思ってたんだけど、千鶴が誘ったのは俺だけだったらしい。

会ってすぐ仕事どう?なんて聞かれたのをきっかけに、最近の話をいろいろとした。なんと千鶴もちゃんと就職できたらしい。ごくごく普通の会社の営業部で働いてるんだって。千鶴はよく喋るし、まあ合ってるんじゃないかな。

話題は高校のときの話に移り、毎日何してたっけなーと当時のことを思い出していたところで、千鶴が冒頭のセリフを口にした。


「ゆっきー急に黙んないでよ」

「あ……、ごめん」


カラン、と千鶴の烏龍茶の氷が音を立てた。明日仕事が早いから飲まないらしい。


「……結婚だって。なっちゃん」


どうして千鶴がそんな顔するの。



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