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「#幼馴染」のBL小説を読む
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我が道を行く占い師の男主がバッサリと死亡フラグをバキバキッとしていく話。

萩原と松田編


「おいおい、こんな時間に何やってんだ」
「君、まだ高校生だよね?」


萩原と飲みに行って、なんとか終電に滑り込み、最寄り駅に降り立った。
時計を見ると、もう日付を超えている。
まあ、明日・・・というか今日は俺も萩原も休日だし、家までの辛抱だ(ちなみに萩原は今日は俺の家に泊まるつもりらしい)とふらつきながらも踏ん張って歩いていると、前方に変な人影が見えた。
お互い意識ははっきりしていたものの、前方の人影があまりにも不信なので、警戒してゆっくりと近づくことにした。
その怪しい人物は、狐の面を被っていた。・・・が、身長的におそらく高校生だと思われた。
だから、少しホッとしながらも、最近の若いもんは・・・と(俺達だってまだ若いが)思って声をかけた。・・・のだが。


「お兄さん達、占いやってかない?俺の、百発百中だけど」
「・・・お前なあ、こんな時間に外ぶらついてたら親御さん、心配すんだろ?」
「仕方がないから、奮発してお兄さん達の死因を占ってあげる」
「ちょ、頼むから俺達と会話してよ」
「ちょっと黙っててねー。集中するからさあ。じゃあ、チャラい兄さん、椅子座って俺の手握って」
「「・・・。」」


全く以て人の話を聞かない、我が道を行くタイプだった。
というか、死因って。もっと楽しいヤツ占えよ。


「うわあ。お兄さん、これはちょっとないわあ」
「え、ちょ、それどういう意味。俺どうすればいいの」
「俺ならどんな爆弾相手でも大丈夫とか過信してないで防御服着ればいいの」
「・・・え」


俺と萩原は無言になった。
・・・俺達、爆弾処理班だって言ってないよな。
うん。というか、警察だとも言ってない。
・・・だよな。
目と目で会話をして、もう1度目の前の人物を見る。


「お。やっと信じてくれた?信じてくれないなら、萩原さんの初恋の女の子の名前教えてあげよっか?」
「やめてえええええ!ってか、俺の名前!!」
「仕方ないなあ、じゃあ今度は松田さんね」
「俺の名前まで分かるのか」
「そうだよ。一週間前に彼女に振られた松田陣平さん」
「・・・なんでそのことを」
「やめてっ!松田の傷抉んないであげて!」
「何この人達、おもしろーい」
「「大人をからかうな!!」」


結局俺も占われることになった。
占い師はふむふむと言いながら、俺と萩原を交互に見つめている。


「ふうん。お兄さん、結構熱い人なんだね」
「そうそう。松田は結構熱いヤツなんだぜ」
「でも、今時親友の敵討とうとして死んじゃう人なんて珍しいよ」
「「・・・」」
「あ。でも大丈夫。萩原さんがちゃんと防御服着てたら、松田さんの死亡フラグなくなるから。まあ、ついでに恋愛フラグも折れるけど」
「「・・・」」


急にぶっ込んでくるのは反応に困るので心底やめてほしいと思った。


「あ。お兄さん達。占い代払ってから帰ってね」
「はいはい。で、おいくらよ」
「10000円ずつね」
「「・・・」」
「早く払ってよー。俺も早く帰りたいし」
「ちょ、10000円高くないか」
「そ、そうだぜ。ちょっと、いや、かなり高いって」
「あー、もしもしS○RI。お客さんが料金を払ってくれません。どうしたらいいですか」
『警察に、相談しましょう』
「「俺達がッ!警察ッ!!」」


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