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むかし、むかし。
世界は1人の聖者マリアと8つの力をそれぞれ司る8人の使徒アポストルによって「平和」で「幸せ」な世界が作られていました。
争いもなければ、罪を犯す者もいない、そんな世界。

日照りが続けば「水」の使徒が、
洪水が起きれば「陽」の使徒が、
砂漠化が進めば「緑」の使徒が、
暑い日が続けば「氷」の使徒が、
子が泣き出せば「夢」の使徒が、
癒しを求めれば「音」の使徒が、
季節を求めれば「風」の使徒が、
裁きを求めれば「雷」の使徒が。

それぞれがそれに相応しい能力を駆使し、その場を侵食する「黒」を消し去って来ました。

だがしかし、原因を知らず突然として「それ」は崩れさり、「聖者」を模した「運命の羅針盤アーティファクト」と「使徒」を模した「ルフレスフェール」は壊れ、散り散りに欠け、1度世界は「終わり」を迎えました。

「終わり」を迎える目前に「聖者」は静かに告げました。


『「運命の羅針盤アーティファクト」という「世界」の基盤が壊れてしまった以上、「世界」は悪化の傾向を辿るでしょう。』


『遠い未来、私達と同じ魂を持った"人間"が必ず生まれる』

『"彼ら"に罪はないけれどその存在は必ず必要となります』

『何があっても、"彼ら"を死なせてはいけません』
『何があっても、"彼ら"を守り抜きなさい』


『ーーーーーーそして』


『ーーー「世界」を"あるべき姿"に戻して下さい。』







小さいころから聞かされ続けた作り話のような昔話。
小さいころは信じていたけれど今となっては「お得意のお伽噺だね」と笑ってみせる。
語り継がれた昔話が現実となって姿を現すなど当日の「私」は思ってもみなかったのだ。

これが全てよく出来た夢ではないかとどこかでまだ考えた時もあった。



ーーーーそして私の「世界」は形を変える。





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