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真琴の言葉に、クレスは動きを止めた。
聞こえてないと思っていた言葉が聞こえていたのだ。

聞き覚えのある単語。
もし人違いだったとしても、現騎士団にその名前の人物は居ない。
ましてや真琴はこの世界の人物じゃない。

余りにも不自然な単語だった。



「それ、俺が言ったのか…?」
「あっその…、昼過ぎに…私の手を掴んで…」


僅かに残っていた記憶はきっと恐らくその事だ。
"何か"を告げた記憶だけはある。


「ーーー俺が、言ったのか…ごめん」
「謝らないでよ…そんな…」


予想外の言葉に真琴は戸惑う。



「そろそろ言わなきゃいけない頃か…」
「え…?」


小さな声で呟く。
息を飲んで、真剣な面持ちで言葉を続けた。



「あの時言った、俺の"過去"の話だ」



それから間も無くして、アレルは部屋に戻って来て、リノも目を覚ました。



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