prologue


まだ夜が明け切らない頃。
辺りはまだ暗く、夜勤をしている者以外は寝ている時間帯だ。

そんな時間に、クレスはふと目を覚ます。
僅かな頭の痛みと身体の怠さに首を傾げた。
耳を傾ければ扉の外が微妙に騒がしい。



「ーーー…?」



ベッドから出て立ち上がり、扉を開けた。
数人と騎士団員がこそこそと話をしている。その表情から何か良からぬ事が起きているのだろうと予想が出来る。


「…、何があった、こんな時間に…」


その中に居たのはアレル、アーネストに並んで同期で小隊班長のマーティス。
クレスはマーティスの元へ駆け寄りそう聞くと、切羽詰まったような表情で告げる。



「…クレス!大変だ、実はーーー」





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