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「先日の"リング"に関しての報告書です、よろしくお願いします」
真琴達がエルネットと共に部屋を出てから暫く経った後。時間的には街へ向かった頃だろうか。
同じくヴァレンスが普段使用する部屋に居た。
数枚の紙をヴァレンスに渡す。
それは先日、アレルを追い掛けて居た賊の残党が所持していたリングに関する報告書だった。
「普段俺たちが魔法を使う時、マナは人の身体を介して命令式によって変換、魔法として発動されるのに対して、"リング"は違う…人の身体を介さない、体力を消費しない」
「"リング"は命令式ではなく着用者のイメージをオーブによって具現化してます、やり方次第ではかなり体力を使うような大型魔法に近い物も発動できるかも…」
ヴァレンスは机の上にその書類を置き、深く溜息を付いた。
「それは…、厄介な事になりましたね……それに"魔導師"ですか…」
僅かだがその紙に書かれた単語の一つ"魔導師"。
その言葉は、そこに居た者全員の表情を陰らせた。
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