prologue
ミルに言われて部屋を私達は出て行く。
閉ざされた扉の先がやけに気になってしまい、何度か扉を見返した。
「…...、今は、一人にさせてやれ」
ぼそり、とクレスは呟く言うように言った。
その言葉に、私は何かを悟る。
運命を受け止める時間が必要なのだと。
改めて知った信実に、クレスも正直戸惑っているようだった。
「アレルがリノを追いかけてるけど…、俺達も追うぞ」
「…….、うん」
脳裏に浮かんだのは、泣き出しそうな顔をして飛び出して行ったリノだった。
クレスの後を追う様に私も走り出し、城を後にした。
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