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同時刻。
騎士団の住む城のすぐ隣にある、より一層大きな城。
そこに住むよく似た二人が居た。
一人は姫として、一人は城で働く者として。
この現状を不思議に思う者は、城の中には誰一人居なかった。
だがそのよく似た二人は心の中で何かを考える。
「どうすれば…良いのかな…」
姫として居る少女は、部屋の窓から外を眺めながらぽつりと呟く。
広い部屋に、小さくノック音が響く。
「お嬢様」
姫によく似た城で働く者は、ゆっくりと扉を開け、何の感情も抱いて居ないような平然とした表情でそう言った。
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