prologue
自分の知っているすべてを聞いたエルネットは何も言わなかった。
リノと共に姿を消したクロスビーを追うべくその場を後にしても止めなもしなれば、口出しもしなかった。
勿論話せていないこともあるが、それは自分達にしか関係のないこと。
それを抜きにして表現を変えて伝えたとしても話は伝わったと思う。エルネットの全てがそれを物語っていた。
あの日何があって、どうしてこうなってしまったのか。
今まで見てきたその姿のは仮の姿で、本当は裏に何を隠していたのか。
そしていつからそれを望んでいたのか。
それは流石に分からない。
例えその理由がどうであれ、彼がやろうとしていることはおかしいと今もなお思っている。
何故今ここにいるのか、と言う事はさておき、それを止めないといけないと強く思った。
間に合え、と願うのと同時に脚を早める。
急げ、急げ。
少しでも早く前に。
失うわけにはいかないから。
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