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"守る術"を教えられないまま、また数年が経った。
12歳になったアレルはシェリーが買い物に出たのを見計らったヘルムに呼び止められた。
アレルの手を握るヘルムの手は僅かに力が篭っており、小刻みに震えていた。
まるで"その時"が来てしまうと言う事を既に分かっていたかのように静かに告げた。



「数年前にお前に話した事がある、"お前自身を守る術"を今教えよう」
「守る、術?」
「あぁ、そうだよ。できるのであれば使って欲しくはないけれど、お前は"特別"だから、お前を欲しがる輩から守る為の、ね…?」



そしてこの時、実の父親から"自らを守る術"を教わったのである。





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