prologue


エルネットとクレスはお互い背中を預けながら交戦していた。疲労しているのを十分分かっている為か、エルネットの動きはクレスを庇うようになっていた。だがそんな動きをしていても疲れを見せない彼は、やはり元とは言え鍛えられた存在なんだとしみじみと感じていた。
ヒールのまま次々と倒して行く姿も色んな意味で凄いと思う。


「エルネット!あっちは…、アレルの方は?」
「あぁ、それなら大丈夫よ」


あっち側。
クレスの元に来たのはエルネットだが、自分の場所よりもより深い場所に向かったアレルの事が気がかりで仕方なかった。半数がアレルの後を追ったのを見ている所為もある。自身が身を持って苦しさを実感していたのだ。

クレスがそれを問いかけると、エルネットは小さく笑みを浮かべてそう言った。



「どこまで知ってるのかしら、もしかしたら、もしかしても無いわね。クロスビーよりも頭が冴えるわよ、今の筆頭は」


自嘲じみた、うっすらとした笑みが零れた。


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