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漸く、静かになった。
騒がしかった場所は殆ど今まで通りに戻る。ただ強いて言うのなら、怪我をした住民や団員達の声だろうか。

思い出したように作った切り傷が痛む。
それと同時にどっと疲れが押し寄せてきた。


「ラス!」


リノがラスの名前を呼ぶ。リノはラス程傷ついてはおらず、体力の消費も少ないように見えた。
実際の所、見えた、のではなくて少ないようにさせたのが正しい。

疲れかけていたリノを庇うようにラスが応戦していたのである。 そのお陰かリノの状態はラスと比べれば悪くなかった。


「あたしを庇ってこんな傷作って…、放っておけばいいのに…」
「煩い。お前がゆっくり動いてんのが気に障っただけだよ」
「煩い、でもなんでもいいから!立って!ここじゃあたしの今の体力じゃまともに回復出来ないから城に行こう!」


大丈夫だ、と言って聞かないラスを無理矢理立ち上がらせると可否も問わせないような素振りでラスを引っ張って行った。







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