ナマエは今、自室で新しい魔法薬と対峙をしていた。元の始まりはピスティの「いつもシャルルカンは私のことを馬鹿にするから、見た目はそのままで中身を子供化させて笑ってやりたい!!!」という一言だった。
いつものナマエならまあまあってピスティをなだめるところだったが、今回は「いや、まてよ……見た目はそのままで中身は子供っていう魔法薬見たことないかも…」

そう。彼女の新しい魔法への欲求が増えに増えてしまい作ることになったのであった。

とはいえ、彼女の世界での魔法薬とこちらの世界の魔法薬はまったくもって違う物質なため、一からシンドリアの植物を調べ上げ、途中ヤムライハからも助言をもらい、何日間も時間をかけ「あとは瓶に詰めるだけ!」といったところで事件は起きた。


「ナマエーっ!!中身幼児薬出来たって聞いたんだけど……!!あー!!!!」

ピスティがいきなり部屋を開けるものだからナマエはビクッとして持っていた鍋をこぼしてしまった。やってしまった。もちろん頭からかぶってはいないが足にはばっちりかかっている。
多少だし問題はないだろうと思っていたナマエだったが意外と薬は強くできていたみたいで……

「ナマエ……大丈夫?」
「………おねえちゃ、だあれ?」

ピスティは100のダメージを受けた。やっぱり中身は幼児化していた!
なんだこのかわいい生きものは!!!涙目で舌ったらず。いつもどちらかというとクールに分類されるナマエは普段とは真逆のかわいくてかわいくて仕方ない。
ピスティは自分グッジョブと内心思っていた。
しかしこのままだと後が怖いのでヤムライハのもとに行って相談しようと見た目はそのままであるナマエの手を引いて歩き始めた。




「どうしたんです?ヤムライハと…後ろにいるのはナマエですか?」
「うん。ナマエではあるんだけど……」

言葉を濁し苦笑いでいうピスティ。ヤムライハのもとに行こうとしたら丁度いたシンドバッド、ジャーファル、マスルールにつかまってしまった。
一刻も早くヤムライハのところに行きたかったのにこのままだとばれる!と思った時には遅かった。

「おねちゃ、このひとたちだあれ?」
「「「……!!!」」」

「どういうことだ?ピスティ。こ、このかわいいナマエは!!」
「王様ー…実は‐‐‐」

今にも鼻血を出しそうなシンドバッドとその部下2人はピスティから事情を聞いていた。
少しの間四人でしゃべっていたため、一人ぼっちにされてしまった中身約5歳のナマエは目に涙を浮かべ、こぼさないようにと必死にして四人に向かって「ナマエのことひとりにしないで…」というものだから崩れ落ちた。主にジャーファルが。

「なんですか!このかわいい……ゴホン。えっと、ナマエ。私はジャーファルです。で、隣にいるのがシンと、マスルールで…」

「ジャーファル鼻の下がのび……なんでもない。」

ナマエに対してデレデレのジャーファルは置いといてシンドバッドも自己紹介するが舌ったらずのナマエはシンドバッドと言えず最終的に「シンおにいちゃ」になってもがき苦しんでいた。

しかし、ナマエはシンドバッドでもジャーファルでもなくなついたのはマスルールであった。

「ますうーう!!」
とマスルールのところまで行き抱き付きそのまま寝てしまった。
ほかの三人はなんでマスルール!?となったが、当の本人も止まったかと思うと片手で抱きしめどこかに行ってしまった。

「「「………ええええ」」」

結局ナマエとマスルールは一緒に昼寝をして起きたら中身が元に戻っており顔を真っ赤にしてみんなに片っ端から記憶の忘却呪文をかけに行こうとしたようで。



(いやあ、あのときのナマエはかわいかったなー)
(今すぐにでも忘れたい……)



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夕月様リクエスト作品
moderato番外 マスルールと中身幼児化夢主でした!


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