小説 | ナノ



ユリの予感とは当たるもので、彼女の言うとおりめんどくさいことになるのだ。
やって来たのは煌帝国の紅玉という人物であり、アラジンのジンを突き刺してしまった。


「この子は私が片付けるわぁ。 このゴミたちは3人で……」


怒ったアラジンは紅玉と今にもやり合いそうな雰囲気であり、紅玉によって気味の悪い3人だか3体だかよくわからないのは襲ってくるわで混乱に満ちていた。

「ユリっ!こいつらを止められるか?」
「はい。仰せのままに」

シンドバッドに言われ、ユリは杖を構え唱える

「イモビラス(動くな)」

ユリの魔法は対象の動きを止めることで、止まったものは声も出ない。したがって自然に周りの視線は魔法を唱えたであろうユリに向いた。

「あなた、なんなの?」

紅玉はユリを睨みながら言った。が、ユリは臆せずに答える。

「人の名前を聞く前にまず、自分の名前を名乗るべきではないのですか」
「ユリっ、何言ってるんですか!!」

相手は一国の皇女であるのに気にせずに怒るユリにジャーファルは焦るがそれをスルーして続けた。とんでもないことを…


「あと、あなた皇女というのに口が悪いと思いますよ。人に対してゴミとか親の顔が見てみた……」


その先を話すことはなかった。マスルールによってユリは担ぎあげられ隅っこの方に連れられたからである。
ユリも言い返すことはなく一言すいません。と口に出して後は黙って見ていた。
紅玉もユリが気になるのかチラッと見てはいたが、ハッと思いだし、魔装をするがシンドバッドによって止められたあげく、心まで射止められてとりあえず、戻って行ってくれた。


「さっきは勝手なことを言ってしまい、すいませんでした。少し頭を冷やしてきます」

一騒動が終わった後、アジトに戻り謝ったユリは3人に一礼し、部屋を出て行った。


「ユリがああいった態度をとるなんてビックリしましたよ」
「そうだな。それよりも俺はあの現場でユリが目を付けられていないかが気になるが……な」
「なにも無ければいいのですが…」

満月を見ながらユリの心配をする彼らを本人は知らない。





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