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「ユリーっ!!」
「ヤムライハさん?」

ユリの元にやってきたのはヤムライハであり、目をこれほどないまでにキラキラさせていてユリは少し引き気味になっていた

「ねえ!ユリってどうなっているの!?魔力の限界が無いなんて私聞いたことないわ!」
「わ、私も今さっき知ったばかりでなんとおっしゃればいいのか…」

ヤムライハの迫力に若干おされながらも答えるが、それが逆に彼女の探究心を増加させてしまったのだ

「さっき知ったばかり!?本当にあなたの国について気になるわ…じゃあ、質問変えるわね、ユリは何魔法が得意?」
「……得意な魔法ですか…許されざる呪文以外なら大抵平気…「許されざる呪文!?なにその魔法」

ヤムライハが驚いたのは無理はない。そもそもヤムライハは水やら火やらを聞きたかったのだが、ユリの中での魔法の種類となると変身術、闇の魔術、それ以外みたいな振り分けになるため、根本的に違うのだ。

「えーっと許されざる呪文というのは…、すいません少し場所を移動しませんか?」
「そうね、確かに人が多いわ」

先ほどのユリの魔法を見た者たちが沢山集まってきていたのでヤムライハはこれに同意し「じゃあ、私の部屋に行きましょう。あなたの魔法についていろいろ聞きたいから」
「はい!謝肉宴以来話していませんし是非」




そしてヤムライハの部屋についたユリはこれまた魔法談議に花を咲かせていた

「なるほどね〜、ユリの世界にはルフとかの概念がなかったなんてびっくりね」
「うん、私も実際ルフ見えたときはさすがにびっくりしたよ」

話していく内に説明が面倒になったユリはヤムライハに異世界から来た旨を話し、この世界の魔法と彼女の世界の魔法の相違点を結構な時間話していた。
そうして意気投合し、お互い敬語無しにまで発展していた。

「まあ、とりあえずユリの世界の魔法についてはある程度理解出来たわ。もう、根本から違うのよね。それで初めに言ってた許されざる呪文って?」
「えっと、この魔法は人相手に使うと監獄で終身刑に値する魔法で、苦手ってよりも使わないだけなんだけど3種類あって、1つ目が服従の呪文。これは対象者を自分の意のままに操る事が出来るの」
「意のままに…、スパイ行為とかさせられそうね」
「まあそんな感じかな、で、2つ目は磔の呪文。相手に死の方がましだと思わせるほどの苦痛を与えることが出来て、最後3つ目は…ここまでくればわかるかな」

ユリはヤムライハに問うがさすがにここまできたらわかるようで「死の魔法ってところかしら…」と答えを当てる

「その通り。しかもこの魔法も含めて杖を一振りするだけで出来るのよ。ヤムライハたちみたいに何個もの複雑な命令式とか必要無かったし…、あ、でも高度な魔法使いじゃなきゃ出来ないけどね」

「魔法使いの私が言うのもなんだけど…あなたの国はすごかったのね。毎日死と隣り合わせで…それでユリは高度な魔法使いな訳だし使えるのでしょ?」

その先は言わなくてもわかった。許されざる呪文をつかえるのかどうか――

「私の職は闇の魔法使いを捕まえる仕事だったから、使う機会はもちろんなかったよ。だって闇を祓う人物が闇の魔法使ったらね」

その先を続けようとしたヤムライハだったが丁度よくヤムライハの元に訪ねてきた人物がいたためその先は聞くことができなかった。邪魔をしないようユリは部屋を出て行き話はここでお開きとなったのだ

そしてヤムライハは考える。
「(使う機会はなかったって事はユリはこの魔法が使えるってことだわ。この話がシンドバッド王の耳にはいったら…必ず…)」

王の為尽くす気は勿論あるが、友達を利用されたくはない。この矛盾にヤムライハは苦笑いを零した







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