一方、例の騒動があった後その国の王に先ほどの情報が入った。
「なに?!最近話題になっていたあの盗賊が捕まっただと?」
「はい、さっき町人がここにやってきてそう言ったそうで、今シャルルカンとスパルトスが回収に行っているそうです。それにしても珍しいですね、いつも事後報告で現場に行っても奴はいなかったのに」
「そうだな……とりあえず2人が帰って来るのを待つ……必要はないな。俺も行く」
「はあ?!あなた仕事残ってますよね?捕まったんだからいいじゃないですか!」
「いいじゃないかジャーファル。そう怒るな、国の状況を知るのも王の務め。それに捕まえた人も気になる」
そう言うが否やシンドバッドは扉を開けて言ってしまった。
ジャーファルも「あの馬鹿王……」とシンドバッドを追うはめになったのだった。
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「おーいシャルルカンとスパルトスー!!」
「え、なんで王がわざわざ来てるんですかっ!」
「ちょっと気になって……な。スパルトス、ここで起こった事を教えてくれ」
「はい。先ほど現場にいた方にお聞きしたのですが…――」
スパルトスは聞いた話をそのままシンドバッドに話した。
「なるほどな…魔法使いか。ジャーファル、この前いた魔法使いで間違いなさそうだな」
この前いた魔法使いとは言わずもがなユリのことで、ジャーファルも思い当たるところがあるのか
「そうですね、高度な魔法を使うなんて他にはいなそうですし……。……シン、何をそんなにニヤニヤしているんですか」
スパルトスの話を聞いてからずっとニヤけているシンドバッド。
なにか嫌な予感がするとジャーファルは感じつつもシンドバッドに問うが当の本人はそれをスルーし、スパルトスにその彼女はどこにいるのか尋ねた
「その被害者が王達が御贔屓にしている飲み屋の娘と聞いたので多分その魔法使いもそこにいるかと」
「よし、じゃあすぐに行こう。シャルルカンとスパルトスは盗賊の聴取を頼む。いくぞジャーファル」
「あ、はい」
ユリと2人が出会うまでもう間もなくのことであった
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