よく出来た鎖/六月ですが、臨也がやたらに出張ります。クロ太様リクエスト

六臂の父親の臨也は最低な人間だったが母親の静雄は優しい人だった。
 父親の浮気やSM、その他の行動にストレスを溜めて衰弱して中学に入る頃に死んでしまったが。
 それから六臂は部屋に引きこもった。引きこもって、フォントや壁紙を作って売りながら細々と生計…飯代をを稼いだ。
 「シズちゃんはお前を捨てられない、置いてけなかったから逃げられなかった。お前はよく出来た鎖だよ」

 と父親に嬉しそうに囁かれ、その父親が嬉しそうに母の棺を自室に置いている事を知っているからだろう。

 自分はすっかり壊れてしまったと思う。

 六臂はそのまま、2年以上の時を部屋で過ごした。
 家賃代わりに家事を引き受け、風呂やトイレは部屋に着いていた。出入りは窓からパルクールでした。

 そんなある日の事だった。

 「今日わ、カウンセラーの月島と言います」

 カウンセラーと名乗る月島と言う男がやって来て、俺という引きこもりを治しに来たらしい。
 俺がそいつを受け入れたのは、静雄に良く似ていたからだった。

 月島は俺に学校に来いと言ったが、俺は御免だった。でも、月島は週に何度も来て話をしていった。

 はっきり好意を自覚した時に臨也が言った。
 「彼、シズちゃんに似てるね…六臂が世話になってるし、今度お礼をしようか?…お前は、本当に良く出来た鎖で、誘蛾灯だね」
 …臨也がそう笑った。
 あぁ、月島を引き離さないと、静雄の様に食い尽くされてしまう前に、俺から逃がさないと。

「ろっぴ君」
 「ねぇ月島…お願いがあるんだけど?…これをしてくれたら、出てやってもいいよ」
 「本当!?…何かな?」
 本当に嬉しそうに笑う月島に六臂は何か薄い本を投げ渡して笑う。
 「うん…裸でこれを朗読してくれたらね」
 「え…」
 月島は、その本の中身をパラパラとめくって顔を青ざめさせる。
 エロイ…エロ漫画だ。バーテン服の青年が双子の青年に犯されている。
 月島にとっては大変マニアックなエロ漫画だった。
 「それ、裸で朗読出来ないなら…帰って、二度と来ないで」
 これで、俺は月島から離れられる筈だったのに。
 「や…やる!!で、六臂君とお外行く!!」
 …ああ、バカな月島。
 「そう、なら早くしてね?」
 六臂は脱ぎ始める月島を余所に、赤いイチゴ味のチューペットを舐め始めた。
 
 月島は、震える手でページをまくり、震える声で読み始めた。
「『奈倉は笑いながらクロムに犯されている雄平を、侮蔑する。まるで、クロムの様に
  「ひぃ…ヤメ…っあ…!!」
 ビクビクと体を震わせ、白目をむいて、だらしなく舌をたらし、何度も精液を吐き出す雄平。
 体が異常な程過敏になり、信じられない程の快楽が雷の様に走り、思考を真っ白にしていく。
その声に重なる様に、小さな喘ぎと、後孔から鳴るヂュプヂュプという音がひっきりなしに響いている。
 「この淫乱野郎」少し苛立ったように笑いながら、奈倉は雄平の口内に自分の欲を突き入れる」
 
 読みながら、月島の体はどんどん赤く色づき、呼吸が荒くなっていく。スリスリと足も擦り合わせ始めた。
 
 「『ジュブジュブと激しく喉奥を突かれながらも雄平は必死に口をすぼめて奈倉の物に奉仕し、鈴口の裏を舐めあげ吸いつく。クロムは、そんな雄平が気に入らない様に、更に激しく内壁を擦り上げ、腰をグラインドさせる。
 「あ…やらぁ…ぁや…ばかになぅ…っ…ひぃん!!」
 「あっ!んっああ!あん!んあんっ!あん!んああ!あん!あっ!あっ…!ああん!んあん!あっ! 」
 過呼吸気味に、泣きじゃくる様に喘ぎ出した雄平に、クロムは一気に自分の欲望を奥まで突きたてる!
 「ひぃぐぅぅぅぅ!!…は、…ぁ…きゃぅぅl!!」
 長いストロークで出し入れしたかと思えば、浅い突き込みで敏感な入口付近をグチグチと捏ね回し、雄平に、堪らないという様に腰を振らせ、何度も、何度も。
 「壊れなよ…はぁ、オマンコから、チンコで脳味噌突き上げて頭の中壊したげるよ」
 奈倉とクロムは楽しげに笑うと、雄平が気絶してもなお、何度も、自身が壊れるまで抱き続けた。
』」
 月島は、そこまで読んで、大きく息を吐き出す。股の間から立ち上がり飛び出した物は、フルフルと震えながら涙をこぼしていた。
 「人前でエロ本読んで勃起するなんて月島は変態だな」
 六臂は笑いながら近づき、月島のアナルに、真新しいチューペットを宛がう。
 「や…!!」
 竦み怯える月島に六臂は笑う。
 「月島…ねぇ?嫌だろ?軽蔑しただろ…?もう、ココには来るなよ…?」
 しばらく、ガタガタと震えながら、月島はその言葉に首を振る。
 「いや…やだよ…!!俺は…六臂君と、ずっと一緒にいる!!」
 その一言に、六臂は目の前が真っ暗になる程の絶望を感じ…同時に、小さな光を見た。
 「ねぇ…月島、じゃぁ、俺がここにいなければお前は来ないよね?…もう、来るな」
 六臂は笑って、コートの内側から拳銃を取り出し、顎の下に当てた。
 「さようなら、月島」
 鎖はバラバラに砕けて解けた。

 「やぁ、又会いましたね?お元気ですか?月島さん…あぁ何で赤い薔薇で墓参りに来るかって?赤はあの子の好きな色で、バラも好きだったから…月島さんも赤がお好きそうですね、一本あげますよ。それにしても、毎日欠かさずお墓参りに来て下さるなんて光栄だなぁ…この後、喫茶店にでも行きませんか?あの子の思いで話を誰かに聞いて欲しくって!」



[ 7/17 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



TOPへ
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -