赤い意図/きさ様リクエスト 来神イザシズ
それは、夢の様な日々の終わり、終わらない夢へ羽化する為の下準備
「もうすぐ卒業だねぇ…学校にさえ行けばシズちゃんに会えた日々が終わってしまう」
臨也は携帯を駆使して、意図を絡めて紡いで、暴力として静雄に向かわせた。
その結果を屋上から眺めている。
沢山の人間の真ん中で嵐の様に暴れている金髪。
ソレは冠の様に見える。暴力で彼の国を開き君臨する裸の王様。
「その日々が終わる前に、もっともっと、君を意図の真ん中へ…」
編み上げた美しい巣の中へ
「それがやがて縁になって、切れない鎖へ編み上がる」
臨也は、学校の屋上から飛び降りる。途中にある窓枠へ足をかけるのを繰り返し、衝撃を殺しながら下へ、下へ、最短距離で静雄の元へ。
「っぃ臨也ぁぁぁ!」
その姿を見つけ咆哮し、駆け寄る静雄に笑いかけナイフを向ける。
「ねぇ、そしたらさぁ!赤い糸なんかより素敵な絞首縄だよねぇ!」
投げられた不良をかわし、静雄の小指を斬りつける。
切られた手で臨也を振り払うように動く手をかわし、血の着いたナイフを舐める。
「何の話だよ!うぜぇ!」
静雄はその臨也に拳を振り上げるが、かわされる。
「危ないなぁ…ナイフを舐めてる時にちょっかいかけたら舌が割れちゃうから、しちゃいけませんってお母さんに言われなかったの?」
「ナイフ舐める様な奴に近付くなとは言われたかもな」
静雄は心底鬱陶しいという様にため息をつくと、踵を返し校舎に戻っていく。
「夢は叶えるものだよねぇ」
臨也はその背に囁いて笑った。
青い春が終われば、赤く苛烈な夏が始まる。
終
学生要素あまりなくてすいません。臨也は、毎日学校に来れば静雄に会える天国に居た時から、ずっと静雄と居るための努力をしてたんだよっていうお話です
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