向日葵を見ると思い出す人がいた。

いっぱいの青空と向日葵を背負った彼と出会ったのは高校に入った最初の夏。
目が合った、たったそれだけで向けられた笑顔に瞬きをすると隣のクラスだよなって話しかけられた。

思えば彼に好きだと言われた時も私がさよならと言った時も、私たちの背中には向日葵があった。
元気だろうか、なんて思い出すことも減ってしまったのだけれど。

「ねぇ、講義始まっちゃうよー」
「うん、ごめんね」

向日葵を見ると思い出す人がいた。恋しい愛しい夏の人。





―――
追いかけた背中も、繋いだ手ももう隣にはないけれど。

11/10/13

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