足元の死体を蹴り上げる。(佐助) 「ねぇ玲、ねぇってばー」 「今は集中しろ、長」 聞こえる金属音。 痛いくらいに感じる風切り。 薄暗い森の中を疾走する。 「はいはい。…玲、相手の獲物わかる?」 やっとやる気になったか。 いくらか低くなった声のトーンに、こちらも身構えた。 「恐らく…短刀二人、手裏剣三人」 「任せていい?」 …コイツの任せていい、は命令な気がするんだが。 まあ、いいか。 自分の使い慣れた獲物を構えた。 音も無く、足を止める。 「観念しろ!」 相手方が声を荒げた。 あんたら忍だろう?…馬鹿過ぎて呆れる。 「…ばいばい、」 瞬間、相手方の首を落とす。 シュッ、と軽い摩擦音と、熟した実が落ちるように地面を転がる首。 巻き込まれないように離れていた長が、隣へくる。 「ほーんと、容赦ないねぇ…玲は」 「…長も人の事など言えないだろう」 そこまでいって、ずいっと長の顔が近づいてきた。 …ああ、これだから嫌なんだ。 「長、じゃないでしょ?」 「…はいはい。佐助、帰ろうか」 そのまま、木の上に飛び乗った。 足に残った肉の感触はそのままに。 足元の死体を蹴り上げる。 (幸村様、戻りました) (旦那、ただいま) (ごくろうであった、佐助、玲!) ---------------------------------- 真田忍隊夢主。 幸村を主として好いてて、 佐助を好いてるけどツンデレだといい。← title:暗黒系10のお題 配布元:Abandon(PCサイト様) 090622 |