180度回転世界。(政宗) ―――びしゃ、 地面にたたき付けられる、鮮紅色。 あまり聞きたくはない、それでも耳に留まった音は思考の奥で響きつづけた。 そのあとの短く重い音に、漸く思考が現実に戻った。 倒れて浅い呼吸を繰り返す、愛しい人間の身体。 「………玲、」 「ね、…政宗……勝っ、ょ…ね……?」 「…あぁ。勝鬨、聞こえなかったか?」 そういって、何時ものやり取りを期待した。 馬鹿にしてるのか、と反論されることを。 But,玲は血の気の失せた顔で、笑った。 「は、は……気付かな、っ……」 「………Fool girl」 頬に触れてみる。 コイツの高い子供体温は、微塵も感じられない。 そのまま玲は、血に塗れた手で目元を拭う。 「まさ、…政宗……!怖、い……怖い、よ……!!」 初めて見せた脆さに、明らかな弱音に、俺は黙るだけ。 何も言えねえ。 惚れた女さえ、俺は救えねえ……!! 「ね、ぇ……私、…死ぬ……よ、ね?」 「……Yes,そうだな」 「ゃ、……怖い…!沢山、殺したけど、……死ぬの、…怖いよ……!!」 泣きじゃくる玲、黙る俺。 その間も、血はどんどん地を浸蝕していく。 「…怖いなら、死ぬな。何時もみてえに、反抗してみろよ!!」 俺の声も、まるで泣きそうで。 懇願するように、早口でまくし立てた。 上半身を抱き上げて、じっと目を合わせる。 ……もう、焦点は曖昧だった。 「相、変わら…ず……無茶、言ぅ…なあ……梵、ちゃ…ん……は………」 あくまでも何時もの様に、俺を茶化すように。 最期にそういって、笑って、身体がぐんと重くなった。 「…しょう………畜生っ!!」
(眠い、だがそれは酷く怖くて) (漸く玲の感情がわかった) (怖い、抗いたい、…抗えねえ、) (But,行き先はわかってるんだ) (―――焦る事は、ねえ) --------------------------------- 無双2の孫市ストーリーのエンディングをやりたかったんだ。← 反省はしている、だが後悔はしてません!← …すいませんすいません。 title:豹変する10のお題 配布元:Abandon(PCサイト様) 100623 |