彼女が初めて自分の家に泊まりに来ることになったのは彼女の卒業式が終わって、少し落ち着いた頃だった。

今まででも一緒に夜を過ごすことはあったけど、天体観測だったり、年越しだったり、二人きりじゃないとか、外出してばかりだったりとか。

だからこうして二人で、しかも僕の部屋で一緒の時間を過ごすのは初めてで。

ご飯を食べて、一緒にDVDを見て、その後はどうするかなんて聞かれれば僕の中では答えなんか一つしかない。



「ん、んぅ…」


何度も何度も細い身体に触れて、君との距離を詰めていく。

それと比例していくように大きくなっていく罪悪感を振りほどくために、また何度もキスをする。


「…郁っ…ん!」

「痛い?ごめんね、あと少し我慢して…」

「平気です…っふ」


どう見たって大丈夫じゃないのに、君が無理に笑顔を作るのは僕のためで。その笑顔を見た瞬間に、どうしようもなく泣きそうになった。

指を絡めてシーツに縫いとめて、白い肌に何度も何度も僕の痕を残す。細くて折れてしまいそうな身体が揺れて、僕はそれを抱きしめる。

そうすることで君が少しでも楽になるように。僕と君の熱が少しでもひとつになるように。


「郁、いく…」

「ん?」

「…っわたしのこと好きですか?」


いきなり鼓膜に届いた言葉。驚いて君を見ると、僕の事をまっすぐに見る瞳は不安げに揺れていた。

僕はどうしたらいいのかわからないまま、ただ彼女の顔を見つめていると、彼女が伸ばして来た指が僕の頬を撫でた。


「っ…どうしてそんなことを聞くの?」

「ごめんなさい、ただ、すごくすごく不安になって」

「…」


まさか、こんな事を言うなんて。

いや…いつかは言われるだろうと思ってたけど、実際に君の口から聞くと、ものすごく重く感じる。

伝えたい、でも伝えたくない。


「…君はそれで満足するの?」

「そうじゃない、けど」


頬に口付けを落とすと、細い身体は微かに震える。

この綺麗な身体を汚してしまっている気がして。でもそれを嬉しいと感じている自分もいて。


「…いく、」

「……ごめん、」


君の何もかもすべてを僕のものにしたいなんてあまりにも勝手すぎる傲慢。

愛の言葉を口にする事なんて容易い事だけど今はまだ何も言いたくない。

どうしても手放したくないんだ。




「…嫌いにならないで。」


言葉がなくても君が傍にいるって安心できるまで。

ずっとずっと、あいしてるから。

























(リビドーが鳴り止まない)

( ゜д゜)ぽかーん

なんかそこはかとなくすいませんでした。久しぶりに文章書いたらこんなことになりました。

誰だよこれ…