「だから、別に良いって言ってんだろ?」

「やだ!まだ待って?」


何回目だっけ。

コイツとこんなやりとりをするのは。


「別に気にする事ねーだろ?昔は風呂だって一緒に入った事とかあるんだからよ」

「今と昔は違うもんっ!夏にいっぱいお菓子食べちゃったせいで太っちゃったんだもん!こんな身体見せらんない…」


ベッドの上に恋人とふたり。

部屋の電気も消して、今からお互いの愛を確かめ合えるって時に、拒むように俺の肩を押し上げる小さい手。

俺がどんな雰囲気を作ったって、記念日っていう力添えがあったって、返って来るのはいつも同じ答えで。

そりゃあ俺だってこいつが嫌だって言うなら、無理にどうにかしたいとか思わないし、むしろ昔と変わらず今も恋人のことは大切にしていきたいと思ってる。


「けどなぁ…」

「え…?」


俺だって、これでも健全な男子なわけで。


毎週のように俺の部屋で二人で過ごして、短いスカートのままベッドでごろごろとされたらね、そりゃあそんな気分にだってなってしまいますよ。

コイツは俺の傍にいると安心するからなんて言ってるけど、無意識の無防備って本当に怖い。


「…ご、ごめんね?哉太」

「俺は大丈夫だから気にすんな?」


そう言って綺麗な髪を撫でると、彼女はビクッと驚いた顔をする。

俺が彼女の上から退こうとすると、腕を掴んでくる。拒んだと思ったら今度は引きとめるなんて、本当にズルい。

女子ってこんなに難しいものなのか…


「だから…そんな顔すんなよ。」

「でも、」

「まぁ俺は別にいつだって待つし」


そう言ってまだ寝転がってる恋人の身体を抱き起こすと、ものすごく悪そうな顔で俺を見てきた。

部屋の中は静まり返っていて、時計が進む音だけが響く。

どうしたらいいんだこの空気…俺は錫也じゃないからこの場をうまく和ませることなんてできないぞ…


「哉太が嫌だから拒んでるわけじゃないんだよ?…は、恥ずかしいの!わ、わたし全然見せられるような身体じゃないから、その…」

「そんなこと気にしてたのかよ。俺ってそんな信用ねーのか?」

「え…?そういうことじゃ…」

「俺はお前のこと全部好きになれる自信あるのに」


自分がものすごく恥ずかしいことを言ったって気づいたのは、彼女の真っ赤になった顔を見てからだった。

慌てて弁解しようとしたけど、彼女の顔に笑みが浮かんでるのがわかったからやめておいた。喜んでるならそれでいい。別に嘘じゃない。

だからお互いの心の準備が整うまで、少しの我慢。


ベッドから降りようとした時、急に引っ張られて唇に柔らかくて温かいものが触れた。


「ふふ…嬉しいな。ごめんね哉太」

「っ!」



決心したのに、早くも崩されてしまいそうだ。
















(ピストルを飲みこむ)

誰だこれ!!!!!!!!!!!

哉太が無性に書きたくなって書いたものの本当に誰かわからなくなってしまった…オーマイガー…

哉太ファンの方に土下座したいです。