ずっとこうしたかった、なんて言ったら貴方は顔を赤らめてわたしの顔を見てくれなくなるんだろうな。

男の人を好きになったのも付き合うのも初めてだったわたしにとって、その先は未知の領域だ。

怖いか怖くないかなんて聞かれたら間違いなく後者を選ぶ。



でも、今日は特別な日だから



「んっ…はっ」

「ごめん、痛いよな…っ俺もちょっと余裕…なくて…もうすこしだから…」


暗い部屋、貪るような熱いキス、初めて感じる貴方の感触。

息ができなくなるような感覚で、すこし苦しい。自分の身体じゃないんじゃないかと思うくらい熱くて、今にもおかしくなってしまいそうだ。


「平気です…へいき…っ」

「…っ涙、溜まってる。ごめんな…もっともっと優しくするから…っ」


生理的に出て来る涙を、直獅さんがゆっくりと拭ってくれる。

いつも優しいんだから、こんな時くらいわたしのことなんて気にしないでいいのに。


…幸せだなぁ、本当に。

直獅さんをこうやって見上げることができるのはわたしだけなんだ。

わたしも直獅さんじゃないと、身を委ねる事なんかできない。

愛しい人のためだから、何もかもが嬉しく感じるんだ。



溢れる想いは貴方に届いてるだろうか



「直獅さ…っん…好き、です」

「お前…」

「わたしはいいから…っこうされてるだけで幸せだから、だから直獅さんの、好きなようにしてくださ…んっ」


突然塞がれる唇。直獅さんの唇も舌も熱くて、溶かされてしまいそうだ。

今までにこんなに激しいキスをされたことなんてなかった。こんな本能のままのキス。

苦しくなって自然に顔が反れてしまいそうになっても直獅さんがそれを許してくれない。

こんなにもわたしを求めてくれている。


「っは…お前そんな可愛いこと言うなよな…マジで心臓おかしくなるかと思ったぜ…」

「ふふ…っ」

「大丈夫か?少しは楽になったと思うんだけど…っまだ辛いか?」

「もう…平気です、よ…っ」


わたしの頬をゆっくり撫でてくれる直獅さんの手に自分の手を重ねる。

大きくて強くて、わたしをいつも守ってくれる直獅さんの手。

正直に言うと本当は耐えられないくらい痛いし、まだ苦しいし、気持ち良いなんて思えないけれど。

直獅さんと繋がってるってことが実感できるから、大好きな人がわたしの中にいるから、それだけでいい。

それだけでいいんだよ。



「誕生日おめでとう、ございます…」

「っ」


またひとつ大人になった直獅さんと、まだまだ子供のわたし。

追いつく事なんてできないから


だから喜びも、この痛みも、全部




――…ぜんぶ、貴方に捧げるよ。










(午前0時の鐘が啼く)

ど う し て こ う な っ た

直獅の誕生日なのでこう…特別な感じを出そうと思ったらエロに。

わたしにはエロを書ける文才がないということだけがわかった。

脈絡がないんだよな…(゜q゜)