short | ナノ


▼ 1

「見て見て、どの部屋にする?」
「どこでもええ。好きなん選んでええて。」
「じゃあここ。」
「ほな、そこ。」


ボタンを押すと部屋の電気が消えて受付に行くと鍵を渡された。それを受け取って狭い二人乗りのエレベーターに乗った。

繋がれた手をキュッキュッと握ると彼、リッキーと目が合う。ギュッと腕に絡みついてコテっと肩に頭を乗せると「…ちょっと緊張する。」小さくリッキーが生唾を飲み込んだ。

部屋に入る私たち。ラブホなんて久々で。高校生の時によく入っていたのがちょっと懐かしい。


「お風呂ためるね!一緒に入ろ?」


横から抱きついて耳元でそう言うと「ゆき乃さんのえっち。」クスって笑ってベッドの上に押し倒された。柔らかく手で頬を撫でられて目を細める私に迷うことなく唇が落とされた。

手首を掴んでいた指が私の指と絡められてリッキーの体温が上に乗っかる。

細身だから乗っかられてもさほど重たくなくてちゅうって唇を重ねる。舌を出すとそれを舐めて絡めてくれる。

「ハアッ…」って甘く吐息を漏らすリッキーが可愛いらしさの間のエロスに見えて子宮がキュンと疼くんだ。

手を伸ばして頬に添えて「もっと、もっとキスして。」そのまま立場逆転、くるってリッキーの上に乗っかる。見下ろすリッキーは私だけを見つめていて…頬にかかる髪を下から指でそっと退けた。


「ピアスの穴いっぱい開いてる。ヤンチャだったの?」
「…若気の至りです。」


ふふって、リッキーの耳をパクっと口に入れる。小さく吐息を漏らすリッキーは私の背中をホールドしてギュッと抱きしめる。舌で耳を縁どって何度も舐める。自然と呼吸を荒らげるリッキーのワイシャツに指をかけてそれを一つ一つ外していく。ワイシャツの下、白タンクに手をかけてそれも脱がせると照れ臭そうに笑った。


「俺だけ脱いどるん、恥ずかしい。」
「じゃあ私も脱ぐ。」


リッキーに馬乗りしたままカーディガンを脱いでベッドの下に落とす。キャミソールに手をかけてそれも脱ぎ捨てた。身につけているのはブラ1枚。背中のホックを外してスルスルとゆっくりブラも外す。

当然のごとくリッキーの視線は私の胸元に釘付け。ムクッて起き上がってそのまま伸ばした手で胸を覆うリッキーが下から小さく聞いた。


「舐めていい?」
「いいよ。」


一度ギュッと抱きしめてからリッキーの舌がペロっと胸の突起を舐めた。途端に体中に電流が走って「アンッ…、」盛れる声にリッキーの舌使いが強まる。

突起を甘噛みされてビクビク腰を動かす私を見てちゅうって今度は吸い上げた。

気持ちよくて体中の抑えがきかなくなりそうで、ガクンって落ちそうな私の上半身を、それでもリッキーのホールドで堪えている。


「気持ちい?」


小さくリッキーが聞くから「ン。」頷くと嬉しそうに微笑む。
もう一度舌を出して舐めようとしたその瞬間、リッキーのズボンのポケットでバイブ音が鳴り響いた。



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