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心臓バクバクで。だって勇征今私の事、俺の!って。それが単純に嬉しくて。勇征を見つめるとちょっとだけ眉毛を下げている。
「今のほんと!?」
「…え?」
「ゆき乃は俺の、って。」
「あー…えーっと、その、」
たじたじする勇征はそのまま誰もいない真っ暗な部屋に私を連れ込んだ。トンって壁を背に勇征が私を真っ直ぐに見つめる。
「本気でゆき乃に触れたら俺、たぶん絶対止まんなくなるって分かってて、だから今まであやふやにしてた、ごめん。でももう限界…、」
スッと手の平を私の顔の前に翳す勇征。頭を一撫ですると「このストッパー外してもいい?」…掠れた勇征の声に最高潮胸がドクンとうごめいた。ドキドキする胸を押さえてコクっと頷くと嬉しそうな照れ笑いの勇征が私の目の前で目を閉じた。
――――――このまま時が止まればいいのに。
「好きだよ、ゆき乃。」
距離を取った勇征が愛おしく私に告げて、胸がまたキュンとする。
「だめ、もっとして、もっといっぱいして。勇征好き、大好ッ」
言葉の途中で塞がれる唇。勇征の赤みがかった唇が何度も触れる。夢中でそれに合わせていたんだ。
「ゆき乃、もっとしていい?」
甘い吐息混じりの勇征の声に腕を伸ばして長身の勇征の首に巻き付ける。腰をツーっとなぞり落ちた勇征の手がグイッと私を片手で抱き上げると、唇の隙間をぬって勇征の舌がニュルリと入り込んだ。ザラっと口内を舐められてなんともいえない快感が身体の全身を突き抜ける。
なにこれ、立ってられない…。ガクガクする膝を勇征の片手がしっかりと私を抱き上げていて、更に強くギュっと抱きつくと、また舌を絡ませてちゅって吸い込まれる。
「ンッ、」
堪らず盛れる声に勇征の呼吸も荒くなる。暗闇の部屋の中、止まらない私達の愛が隠れて絡まり合う。
でも、―――――――「あーやっちゃってる。」不意に聞こえた声に2人でドアを見ると苦笑いのなっちゃんとその後ろ、固まってる黎弥。
次の瞬間、「ゆーせーーーこのやろ、覚悟しろ、」黎弥のパンチが勇征の左頬にヒット。ドサッてソファーにすっ飛ぶ勇征に慌てて駆け寄った。
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