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「好きです、僕と付き合ってください!」
平成最後の冬、気になっていた人に言われた言葉だった。
すごくすごく嬉しくて、涙が出る程本当に嬉しくてめちゃくちゃ幸せだと思ったんだ。
そう、この時までは…―――――――
「え、もうっ!?」
「ンッ、ごめっ…。」
…まただ。また。私の上でビクビクって身体を震わせて思いっきり気持ち良さそうに呼吸を乱す恋人、木村慧人。
大学を卒業して社会人一年目の私の年下彼氏。現在大学一年生の19歳。
一年前まで同じCafeでバイトをしていた私達は、気があって慧人くんからの告白ですぐに付き合うようになった。
やっと一人暮らしを始めた私の家に時々こうして泊まりに来ては甘い時間を2人で過ごしているんだけど…
「…ゆき乃ちゃん、ごめんね、また僕だけイッちゃって。ゆき乃ちゃんの中に挿いるとどうしても気持ち良くてすぐイキそうになって我慢できなくて…、」
苦笑いでコンドームを外している慧人くん。持ち前の明るさと可愛らしい笑顔にいつだって癒されているのは私の方。
だけれど、いかんせんセックスの相性が悪すぎる―――いやもはや、早漏すぎて心がついていけていない。
とはいえ、まだ付き合い出して3ヶ月。慧人くんとえっちしたのも数える程度。これから徐々に慣れて私の事も気持ち良くさせてくれるんだよね?…ね?ね?ね?
「あ、指でシようか?」
とろり垂れる私の愛液。すでにしょぼくれている慧人くんのソレ。
「大丈夫。ちゅーしてくれたらそれだけで幸せだから。」
「ゆき乃ちゃん!ちゅーいっぱいする!」
ぎゅっと私を抱き寄せてチュパッと唇を重ねる。
慧人くん、指も舌も、あんまり上手くない。加えてこのキスも、ほとんど舌を入れてこないフレンチキスばっかりで正直物足りない。
こんなセックス、超不満!!!!
って、心の底から叫んでやりたいけど、当たり前に言えず。私の一言で傷ついちゃったら嫌だし、えっちなんてしなくても慧人くんの事大好きって気持ちは変わらない。
だからこのままでも、いいの…―――
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