▼ 2
「はぁー腰いた。ほくぶーえっちの時めっちゃSになるから昨日は参った。」
「………朝海の彼氏も、大学生だよね?」
「そう。4年!童顔だからもっと若く見えるけど!」
「…腰が痛くなるぐらい激しいえっち、ってこと?」
「え、知りたいの?ゆき乃。」
お昼休み。同期の朝海とは気があってすぐに仲良くなった。元々サバサバしてる性格だからか、飾らず話しやすくてしょっちゅう一緒にいる。
ペペロンチーノをフォークで一巻してニヤリと口端を緩めた朝海はちょっとだけこちらに身を乗り出した。
「知りたい、かも。」
「ぶは!北ちゃんポイント掴むのうまくて、私が気持ちいいなーって思う箇所を見つけるのが得意っていうか。だからそこガンガン攻められてもう大変。挿れてからイクまでに色んな意味で何度もイケちゃうの。」
瞬きすら忘れそうな朝海のエロトークに私は眉間に皺を寄せた。そんな話、聞いた事ない。
「ね、それってさ、ずっと前から?初エッチの時から?それとも最初はやっぱり普通?」
「んー。どーだったっけなぁ?でも北ちゃんは最初からかなり気持ちよかったと思う。やっぱり長く付き合う人は身体の相性が120%合わないと私は無理。セックスできない恋愛とか有り得ないから。」
パクりとパスタを口に放り込んでもぐもぐ。朝海に言わせたら、私と慧人くんの未来はゼロ%なのかもしれない。
ポコンとLINEにあがったメッセージ。慧人くんからのメッセージ。マメな慧人くんは、時間ができるとすぐに色んなメッセージを送ってくれる。今誰といるとか、今これ食べてるとか。そーいうの本当に嬉しくて、慧人くんを選んで正解だって思えるんだけれど…
「いいな朝海が。羨ましい…。」
つい口から出た本音に大きな目をパチっとさせる朝海。
「え?ゆき乃の彼氏、セックス下手なの?」
「…なんていうか、なにもかも合わない…かも、」
泣きそう。慧人くんの事誰よりも大好きなのに、身体が全然ついていけていないのが悔しくて、すごく苦しいんだ。
-2-
prev / next