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翌日、事件は起こった。
やけに外が騒がしくて、校庭を見るとバイクの集団が中に入って来た。
物凄い数の単車が爆音を鳴らして威嚇しているのが分かる。
何もないって言ってたけど、なんかしたんじゃん!って私は慌ててすごい勢いで校庭に出て行った健太とマサを追いかける。だけど途中で腕を掴まれて、
「ゆき乃っ!!危ないって、出て行ったら!」
まさかの嘉くんが私を引き止めた。
「…嘉くん、あのっ、」
どーしよう?言う?でも、ほんの一瞬迷ってる私の横を健太の彼女の朝海が走り去って行く。だから「嘉くんごめん!」その腕を離して「ネコっ!!!」慌てて追いかけた。
「だって健太がっ!!」
「ネコになんかあったら健太がキレちゃうから!!そしたら健太と逢えなくなるわよっ!!それでもいいのっ!?」
「やだそんなのっ!でも黙って見過ごすなんてできないっ!」
「分かるけど、分かるけどネコ、ネコは行っちゃダメ!」
騒ぎを嗅ぎ付けたサワが私達の所に駆け寄ってきて、「大丈夫、俺がなんとかするから。」完全に戦闘態勢に入ったサワを初めて見た。
既にチームの面子が何人も校庭に飛び出していて。
健太の両サイドには、幹部の陸と陣もいて、少しだけ胸を撫で下ろす。
でも殺気立っているのはこっちも同じで、喧嘩っパヤイ夏喜は前線でめちゃくちゃ相手を睨みつけていた。
「サワ!マサをお願い!マサだけは傷つけないで!」
「了解!」
オールバックを手で撫で付けたサワがズカズカと校庭に降りていった。
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