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ゴクリとウーロンハイを飲むと真っ直ぐに隆二を見つめる。小さくコクっと頷くと、隆二がふわりと微笑んだ。そのままスッと隆二の腕が伸びてきて私の頬を軽く掠める。
「よろしくお願いしまっす!」
私の言葉にブッて笑ったけどそのまま隆二の手が私の首裏に回されてグイッと引き寄せられる。あ!って思った次の瞬間には目を閉じた隆二の綺麗な顔がピタっとくっついていた。
ムニュ?むちゅ?って音と触れ合う唇にドキンと胸が音を立てる。あ、私ってばキスしてる、しかも隆二と!冷静に考えると顔から火がでそうなくらいの事してるのに、今の私にはそんな余裕すらなくて、「隆二舌入れろよ、」なんて横からチャチャ入れる臣の言葉に私もコクコク頷く。唇くっつけるぐらいは私にもできるだろうって、
「分かってるよ、」
臣にブスッ面で言うと、隆二は私の唇をその舌でぺろりと舐めた。途端にゾクリとして肩が上がる。これはエロい!隆二のキス、エロい!なんて内心思ったのは一瞬でほんの隙間から隆二の舌が口内に入り込むと、その恥ずかしさと気持ち良さで頭の中が真っ白になった。
ゆっくりと口の中で舌を隆二に絡める。柔らかくて温い舌が絡まるとちゅって隆二に唇を吸い込まれた。その感触がたまらなくて思わず隆二の首に腕を回す。そのまま私を抱き留めて背中で腕を組む隆二は、尚も舌をちゅるりと絡める。さわさわって背中を緩く撫でられて胸がまたキュンと音を立てる。
これ、癖になりそう。隆二ってこんな顔してキスうまいじゃん!
「ねー俺にもやらせてよ?」
耳にパクりと臣の唇が触れて、次の瞬間臣の舌がニュルりと耳の穴を舐めた。
「ひやぁっ…、」
漏れた声に隆二が名残惜しくリップ音を立てて唇を離すと、すかさず後ろから臣の腕が私の顔をくるりと反転させる。
ちょっと、臣にキスしてなんて頼んでない!のなんて怒りを覚えたのはやっぱりほんの一瞬で、気づくとその気持ち良さに、臣に身体事もたれていたなんて。
「あー俺、女のそんな顔見たくねぇかも、」
カチッと隆二が煙草に火をつけた音がして、え?って目を開けるとちょうど臣も目を開けたのかド至近距離で目が合う。
「いい顔になったって、ゆき乃。」
嬉しそうに笑うと臣はまた迷うことなく私の唇をちゅぱって吸い付けて、そのままディープキスにもっていく。
ダメだ、これは。こんなスキル私にはとてもじゃないけど持ち合わせていない。このキスについていくのに精一杯だ。なんて脱落しかけているっていうのに、「ゆき乃もっと舌絡めろよ、」なんて臣の言葉に苦笑い。
「ちょっと疲れてきてる?ゆき乃。」
隆二の優しさに思いっきり首を縦に振ると「分かってる?堀なつは俺らより遥かに若いからね?」…残念な現実を叩きつけられてキスの練習が終わりを告げた。
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