秘密の共犯者達 | ナノ


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シェイプアップ目的で通い始めたジム。いかんせんジムに通うことが初めてだからトレーナーをつけた。


「今日すごい乱れてますね?新城さん。」


やっぱりこいつも分かるのか。ランニングマシーンから降りて苦笑い。大いに乱れた呼吸を整えながら「先生、この後空いてますか?」普段なら絶対に言わない台詞。

でも自分で思うよりも悩んでいるのかもしれない。誘われた八木さんは綺麗な顔の中にある目を大きく見開いた。


「え、今日ですか?」
「…はい。」
「悩み相談ですか?」
「まぁ、はい。」
「分かりました!のりましょう!役に立つかは分かりませんが。」


若干頼りなさげなふんわり笑顔に実は瀬口くんとは違う種類の癒しを感じていたなんて。


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「え、」


苦笑いの八木さん。え、なにその顔。堀くんと瀬口くんの事を話した瞬間だった、八木さんのアヒル口が曲がったのは。いつものやんわり顔も若干引きつっていて。


「それは、困ったな。」


それからそんな言葉をばらまいた。…これはもしや瀬口パターン?そんな訳ないか!さすがにね。


「生徒さんの事を恋愛感情で見たことなんて今まで一度もなかったんですけど僕、」


そこまで言うと言葉を止めてこちらを見つめる八木先生。色白の頬はほんのり紅く染まっていて、やばい、瀬口パターンかもしれない!なんて瞬時に思ったんだ。


「あの、八木先生?」
「あ、プライベートで先生はちょっと。勇征って下の名前で良かったら呼んでください。…僕もゆき乃さんって呼んでもいいですか?」


顔に似合わず突進型?なのか、そのギャップにドキッとする。ジーッと見つめてるとニッコリ。


「勇征、」


なんか悔しくて呼び捨てしてやると手に取るように真っ赤になった。やばい可愛い。


「ゆき乃さん、あの、」
「他の子が言ってて。勇征の腹筋すごい!って。私にも見せてください!」


身を乗り出して先生の腹筋に触れそうになる私の腕を空中で捕まえて握りしめた。


「じゃあ僕の部屋で。」


まさかの誘いにのるべき!?見つめる八木先生はアヒル口で照れたように優しく微笑んだんだ。


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